2013年2月20日水曜日

「統計学が最強の学問である」を読んだ

東京への出張の移動時間に 統計学が最強の学問であるを読みました。
著者は生物統計学を専攻された方ということで、事例としては疫学などが多いのですが、教育関係者にもぜひ読んでもらいたいと思います。

Amazonの書評を読むと、「何が最強なのか意味不明?」といった辛口の書評もあるのですが、第1章、第2章あたりは引き込まれるように一気に読めます。
難しい数式で説明するのではなく、図を用いて直感的に説明しようと工夫されています。
ただ、下手に図式化すると余計わかりにくくなるというのも専門家からするとあるんだろうなぁとは思います。そういう彼らは、数式がイメージと一体化しているんだろうから・・・。おいおい、俺のイメージと違うじゃないかってことになりかねない・・・。

私自身、統計分析ソフトの作成に携わってかれこれ十数年になりますが、正直、統計学が最強の学問なのかはわかりません。
ただ感じているのは、統計学は最適な答えを見つけるためのツールであり、未来を予測するツールとして、誰もが使えるようになったらいいなぁということです。

学校評価アンケートを集計して肯定率が1%下がったといって改善策を講じようとしている学校が多いです。学校というところは、教師の良心や献身的な働きによるところが大きく、とにかく疑わしいことは全部何でも一生懸命やってしまおうとします。その結果、教師の多忙感は増すばかり。
学校評価の結果を地域や保護者に公開するようになったことも大きいです。今までの単純な集計方法では1%下がったのはそのまま提示されてしまい、「これくらいは誤差の範囲なんです」と説明できない。
さぼっていいということではありませんが、どんなことにも集中と選択が必要なんだと思うんです。
そのためのツールが【統計学】です。

著者は、統計学が近年急速に発達したのはICTの発展によるところが大きいと述べています。
紙と鉛筆から巨大計算機に、そしてパーソナルコンピュータへと道具が変化する中で、一部の専門家だけのものだった統計学が一般の人たちも使えるようになったことは素晴らしいことだと思います。
自分のやっていることがその一助になっているのであれば大変うれしいことです。